アレルギー性疾患

■薬物療法

<第1世代抗ヒスタミン薬>

  • ヒスタミン受容体が多い前頭前野の機能を抑制し、眠気を発生させる。作用は個人差が大きく、副作用も強い。耐性や依存も起きやすく、一過性の不眠にならいいが、連用は勧められない。心毒性もあり、多量服用により、QT延長、心室頻拍を起こすおそれがある。
  • 脳への移行性があり、ストレス抵抗性や学習能力を低下させる。成長ホルモンを有意に抑制するという報告もある。
  • ヒスタミンは痙攣を抑制しているため、小児では痙攣が誘発される可能性もある。

●塩酸ジフェンヒドラミン

  • 半減期4〜8hr。睡眠薬として使用の際は、残存効果に注意。
  • 大量服用例では昏睡、痙攣、不整脈が出現。有効な解毒剤がなく、胃洗浄や吸着剤・下剤の投与で消化管洗浄を行い、心電図や血圧をモニター、循環管理、発熱対策や痙攣、不整脈のコントロールなどの対症療法をするしかない。体重1kgあたり7.5mgあるいは体重と関係なく300mg以上摂取している場合は直ちに病院へ。それ以下でも4hrは様子を見て、中毒症状が出るようなら病院へ。通常の薬物の経口摂取による中毒なら、摂取後1hr以内でなければ消化管洗浄の意味はないとされるが、塩酸ジフェンヒドラミンの場合は、消化管運動抑制作用があるため、数時間後でも薬物が残存している可能性がある。

<第2世代抗ヒスタミン薬>

  • 第2世代抗ヒスタミン薬は、くしゃみ、鼻汁を抑える効果には優れるものの、遅発相反応によって生じた鼻粘膜腫脹に伴う鼻閉を著しく改善する効果は期待できない。
  • ニポラジン 第2世代抗ヒスタミン(フェノチアジン系)、持続性(12〜16hr)、眠気少ないが14%、1日2回
  • アレジオン 1日1回、H1受容体に強い拮抗作用、ケミカルメディエーター遊離抑制、脳内移行性低い、30minで効果発現、眠気SE1.21%
  • セルテクト1日2回
  • タリオン 選択的H1拮抗、NO抑制作用も持つ。食事の影響をあまり受けない。即効性が高く、1〜2時間で血中濃度が最高になり、2日で定常状態に。中枢移行性が少ない。個体差が少ない。代謝をほとんど受けないので、薬剤間の相互作用が少ない。鼻づまりの遅発反応も抑える。副作用で、眠気5.7%、口渇1.1%、悪心0.8%、胃痛0.5%、下痢0.5%、胃部不快感0.4%、倦怠感0.3%、嘔吐0.3%。
  • クラリチンは空腹時だと吸収が↓、タガメット併用注意。
  • アレロック、タキタニン遊離抑制作用を有する、1回5mg1日2回

●ジルテック、ザイザル

  • 1日1回で即時相(ヒスタミン放出)と遅発相(好酸球遊走)と両方効く。1hr後には効果発現
  • DS適応2歳以上
  • 7歳以上15歳未満には1回5mg1日2回
  • ザイザルは、セチリジン塩酸塩の光学異性体のうち、より強い生理活性を有するR-エナンチオマーのみを光学分割により生産したもの。
  • ヒスタミンH1受容体に安定して結合し、セチリジン塩酸塩の約2倍の親和性があることから、効果的な抗ヒスタミン作用が期待できる。
  • 投与早期より優れた効果を発揮し、24時間安定した効果が持続。
  • ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、アレルギー反応の即時相と遅発相の両相に作用する。即時相では、強力かつ選択的な抗ヒスタミン作用を示し、アレルギーの諸症状を速やかに改善。好酸球遊走抑制作用、炎症性因子産生抑制作用による抗炎症作用を示し、遅発相における、アレルギー性炎症の持続と進展を抑制。
  • 腎障害、肝障害、高齢者では高い血中濃度が持続するおそれがあるため、慎重投与。
  • てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者では痙攣を発現するおそれがあるため、慎重投与。
  • 併用注意にテオフィリン、中枢神経抑制剤、アルコール、ピルシカイニド塩酸塩水和物。
  • 副作用は眠気84例(6.0%)、倦怠感12例(0.9%)、口渇9例(0.6%)、嘔気7例(0.5%)。臨床検査値の異常変動はAST(GOT)上昇1. 4%(17/1182例)、ALT(GPT)上昇1. 5%(18/1181例)、好酸球増多0. 8%(9/1114例)、総ビリルビン上昇0. 5%(6/1133例)。市販後の使用成績調査5759例(小児163例を含む)中、主な副作用は眠気149件(2.6%)、倦怠感倦怠感9件(0.2%)、口渇9件(0.2%)、浮動性めまい8件(0.1%)、頭痛6件(0.1%)。重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状、痙攣、肝機能障害、黄疸、血小板減少

●フェキソナジン(商品名アレグラ)

  • 血中濃度トラフ時でも症状有意に改善、投与後60分で有意に改善、脳内H1受容体占拠率低い、作業能率↓を起こしにくい。
  • 空腹時にくらべ、食後のほうが14%血中濃度が低下する。
  • 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、エリスロマイシン併用注意
  • 30mg 7〜11歳
  • Cyp代謝を受けない
  • GFJ、OJ、AJ併用注意、吸収↓、4hr以上間あける。
  • 塩酸ブソイドエフェドリンを配合したのが、ディレグラ。鼻閉が中等症以上の場合に使用を検討。塩酸ブソイドエフェドリンは鼻粘膜の腫れを改善し、鼻の通り道を広げ、鼻づまりを改善。鼻づまりに即効性が期待できる。徐放層を含む錠剤。ブソイドエフェドリンを含有するためドーピングの対象。朝夕の空腹時に服用。食事1時間前、食後2時間以降が目安。食後に服用すると吸収が落ち、効果が70%低下。寝る前の服用は興奮作用も有するため、不眠の原因となることがある。2週間を超えて投与したときの有効性及び安全性は検討されていない。塩酸プソイドエフェドリンは主として尿中に排泄、腎障害では適宜減量。糞便中に、殻錠が排泄されることがある。副作用で、血糖値上昇、血圧上昇、虚血性心疾患悪化、眼圧上昇、交感神経刺激作用、排尿困難の悪化など。

●エバステル

  • Tmax 4〜6hr  T1/2=15hr
  • OD5rはストロベリー味、小児でも服用しやすい。OD10rは甘い味、徐々に溶けていく。
  • OD、粉砕で25℃、湿度70%で90日安定
  • 小学生、体重40kg以下は5r、中学生は10mg
  • P−糖たんぱくにより、脳外へ排出されるので脳内移行性は低い。
  • エリスロマイシン併用注意だが、臨床報告例はない。

<メディエーター遊離抑制薬>

●トラニラスト(商品名リザベン)

  • T型アレルギー反応抑制による痒み、赤みの改善、ケロイド、肥厚性瘢痕の原因となる線維芽細胞からの過剰なコラーゲン生成抑制作用を持ち、瘢痕組織の増大抑制作用を有する。
  • 反応性に増える皮膚線維細胞の増殖を抑える効果があるとともに、傷の赤みやかゆみなどを軽減させる。
  • 副作用に肝障害、膀胱炎様症状。血尿に至る場合もある。褐色尿や排尿痛がないか注意。服用中止すれば、膀胱炎は治る。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

<トロンボキサンA2阻害薬>

  • ドメナンベガブロニカバイナス

<Th2サイトカイン阻害薬>

  • アイピーディ、副作用に口臭(代謝物のジメチルスルフィドが原因)。

<点鼻>

  • 鼻噴霧用ステロイドの特徴、炎症を抑制する効果が高い、効果の発現がやや速い、全身的な副作用が少ない、くしゃみ、鼻汁、鼻閉の3症状に等しく効果がある、投与部位にのみ作用を示す。
  • アラミストナゾネックスはフランカルボン酸を導入することでグルココルチコイド受容体に対する結合親和性を向上させ、1日1回各鼻腔2噴霧で高い臨床効果を示す。
  • フルナーゼは局所で効いて、身体にほとんど吸収されません。SE少ない。1本1w分
  • ナゾネックス点鼻 1日1回全身への移行少ない、1回2噴霧、鼻粘膜萎縮SEがない、においはフルナーゼ同様だが、ツンとする刺激は少ない。
  • アラミストはグルココルチコイド受容体に対する結合親和性が、デキサメタゾンに比べ約30倍と高く、鼻症状のみならず鼻・眼反射を介した眼症状の改善も期待される。
  • リノコートパウダースプレーは鼻粘膜への滞留時間が長く刺激が少ないパウダースプレー製剤
  • 血管収縮点鼻薬 SE 心悸亢進、長期使用すると粘膜が肥厚して、効果減弱、鼻づまり増悪

●プロピオン酸ベクロメタゾン(商品名アルデシンAQネーザル)

  • におい・刺激は特になし、1日4回Max16吸入、反復性鼻出血には慎重投与
  • SE鼻中隔穿孔

<点眼>

  • ザジテン点眼 SRS-Aおよびヒスタミン等のケミカルメディエーター遊離抑制
  • リボスチン点眼 目のかゆみを速やかに抑える。初期治療も有効
  • インタール点眼 SE 刺激
  • パピロック点眼 シクロスポリン
  • パタノール点眼は低刺激性

<患者さんへの指導>

  • 抗アレルギー剤単独では、効果が出るまで時間がかかる場合があります。症状が強い時は、抗ヒスタミン剤、点眼剤、点鼻剤など即効性のも併用するとよい。
  • 眠気の出やすい薬で、眠気まで出なくても仕事の能率が落ちることがある。
  • 点鼻薬は鼻閉が高度になると投与できない、ひどくなる前に使うか、一時的に鼻が通っているタイミングを狙う。点鼻前によく鼻をかむと効果UP。